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精神医学の近現代史 (電子書籍)

歴史の潮流を読み解く

精神医学の近現代史
形式・仕様:
単行本 電子書籍

戦争、安楽死、反精神医学、優生思想等、精神医学が長きに渡り関わってきたにも関わらず、真正面から語られなかったテーマに切り込む

著者 小俣 和一郎
ジャンル 精神医学
出版年月日 2020/11/27
書店発売日 2020/12/11
判型・ページ数 262ページ

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近代精神医学が成立する契機となった精神病者の「鎖からの解放」は、なぜ可能となったのか? ナチズム期の精神障害者大量殺人は、なぜ引き起こされたのか?
本書の目的は、近代精神医学史の出来事を記述することだけではない。その出来事の背景、そこにどのようなアイデアや思想が、歴史の流れがあったのか、そしてそれがどのように現代につながっていくのかを明らかにしていくことを主眼としている。
戦争、安楽死、反精神医学、優生思想など、精神医学との関係が真正面から語られてこなかったテーマに深く切り込む。(底本刊行日:2020/9/10)
第一章 精神医学史の特徴
1.精神医学史とは何か 
2.精神医学史のあるべき姿 
3.精神医学史の範囲 
4.精神医学史の特性 
5.精神医学の現状とその課題

第二章 近代精神医学の成立──革命と精神医学
1.フランス革命とヨーロッパ啓蒙主義の流れ
2.宗教改革と対抗宗教改革
3.宗教改革以降の啓蒙思想
4.18世紀啓蒙主義と近代精神医学の登場 
5.カントの『人間学』と静かな狂気
6.鎖からの解放──精神医学における自由と拘束
7.精神医学史における自由と不自由
8.革命と精神医学

第三章 薬物療法と生物学的精神医学
1.狂気の在り処
2.19世紀脳病論の周辺
3.疾患単位か症候群か──疾病学の整備
4.進行麻痺の精神医学小史
5.侵襲的治療法─ファシズムとショック療法
6.薬物療法の歴史

第四章 精神療法と心理学的精神医学
1.預言の原像
2.精神療法の起源(その1)──ロマン主義的成分
3.精神療法の起源(その2)──啓蒙主義的成分
4.精神分析の登場と興隆
5.精神病理学
6.心理テストの歴史
7.精神分析の衰退
8.精神病理学の退潮

第五章 精神医学と優生学
1.変質学説と進化論──真逆のベクトル
2.人種衛生学
3.ナチズムと優生学
4.優生学、優生思想、優生政策
5.「退廃芸術」──ナチズムと優生学をめぐる断章
6.第二次大戦後の優生学

第六章 近代日本の精神医学
1.明治維新以前
2.明治維新と精神医療
3.大学精神医学
4.ドイツ精神医学の影響
5.日本における優生学
6.731部隊と人体実験
7.第二次大戦が与えた日本の精神医療への影響と帰結

第七章 「安楽死」と精神医学
1.ナチズム期の「安楽死」
2.「安楽死」作戦の概要
3.T4作戦を成り立たせた背景論理
4.障害者殺人のその後の影響

第八章 戦争と精神医学
1.戦争によって出現した精神医学上の問題
2.第一次大戦と戦争神経症
3.第二次大戦とホロコースト後遺症
4.トラウマ概念の歴史とPTSD
5.自殺研究小史
6.戦後日本の精神医療

第九章 反精神医学の歴史
1.ニュルンベルク医師裁判
2.反精神医学(Antipsychiatry)の系譜 
3.欧米における精神病院改革と反精神医学
4.日本における反精神医学の受容と反発 
5.現代精神医学と反精神医学

終 章 歴史と精神医学
1.個人史と全体史
2.記憶をめぐって
3.歴史を記述するという作業
4.精神医学の歴史にみる不易と流行
5.個人の進歩と歴史の進歩への疑問

近現代精神医学史総年表(1500-2020)

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