アルコール・薬物依存症を一から見直す

科学的根拠に基づく依存症の理解と支援

アルコール・薬物依存症を一から見直す

依存症についての科学的な新知見が、日本の依存症支援で「あたりまえ」となってしまったことの根底を問い直し、効果的な支援を導く

著者 ウィリアム・R・ミラー 編著
キャスリーン・M・キャロル 編著
森田 展彰 監訳
佐藤 明子
ジャンル 精神医学
臨床心理学
出版年月日 2020/04/25
書店発売日 2020/04/27
ISBN 9784414428674
判型・ページ数 A5 ・ 302ページ
定価 4,400円(税込)
在庫 在庫あり

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米国の主導的臨床家・研究者らによる、アディクション専門家会議の内容・提言をまとめた書の、待望の邦訳が刊行。実証研究からアディクションに関する多くの新事実が明らかになった今、それらのエビデンスを採り入れた支援が急速に求められている。本書の導入によって、現在の日本に広まる厳罰主義や、臨床現場で用いられる依存症=病気モデルの限界が乗り越えられ、依存症支援に新たな可能性がもたらされることが期待されている。

原書名:Rethinking Substance Abuse: What the Science Shows, and What We Should Do about It


アルコール・薬物依存症支援を一から見直すとしたら,今だ

・近年の研究によって依存症に関する重要な発見が相次いだ。

・しかし支援現場は疲弊していて,研究成果を現実に活かすのは難しい。

・こうした現状を変えるべく開催された専門家会議(CACTUS)の成果をまとめた書が,本邦初公開。

 

科学的な理解が,依存症に関する根本的な問いに答え,「あたりまえ」を変える

・治療するのがこれほど難しいのはなぜか?

・どうしてこんなにも再発してしまうのか?

・なぜアディクションが多重に生じるのか?

・他の精神疾患との併発が非常に多いのはどうしてなのか?

・リスクが大きいにもかかわらず,なぜ持続してしまうのか?

・本人の意思が特別弱いから依存症になるのでは?

・依存者には自ら変わろうという動機がないのでは?

・刑罰を厳しくすれば依存症は減るのか?

・現在行われている治療アプローチはすべて効果が証明済なのか?

・宗教やスピリチュアリティによる支援は科学的な支援に劣るのか?

・家族やピアサポート団体の果たす役割とはなにか?

・支援者はどういう態度でいるべきか?

 

科学的知識を活かして依存症を理解し,支援するための10の原則と10の提言

【10の原則よりピックアップ】

・動機づけが予防と介入の中核をなす

・アルコール・薬物問題は単独で起こるのではなく,行動クラスターの一部として起こる

・問題となるアルコール・薬物の使用には特定可能かつ修正可能な危険因子と保護因子がある

・アルコール・薬物問題はより大きな社会的背景に影響される

・治療者とクライアントの関係性は重要だ

 

【10の提言よりピックアップ】

・変化への動機づけとコミットメントを高めることが介入の早期目標かつ主要要素でなければならない

・しっかりと確立されてしまったアルコールや薬物の使用パターンに変化を起こすプロセスは,通常,パターンを中断して断薬(断酒)の最初の期間を作り出すことから始まる

・不使用に対する正の強化を高め,アルコール・薬物使用に代わる報酬源へのアクセスを充実させること

・サービスを,アクセスしやすく,低負担で,歓迎的で,助けになり,強力で,迅速で、魅力的なものにすること

・科学的根拠に基づくアプローチを用いること

 

はじめに
謝辞

第Ⅰ部 序論

第1章 問題の定義と取り組み
 一から見直すべき時があるとしたらそれは今だ
 話は変わって……
 どんな用語を使うかは重要だ
 幅広い見方

第2章 森と木々――複雑な自己組織化システムとしてのアディクション
 起源
 遂行能力と相互作用
 自己組織化
 多モジュール自己組織化系の発生――モデル案
 問いへの答え
 結論
 確かな原則
 推奨文献

第Ⅱ部 生物学的要因

第3章 アディクションの神経生物学――快楽に関するカルヴァン主義の見方
 アルコール・薬物に対する乱用と依存の動物モデル
 中毒の神経薬理学
 依存の動機づけ作用の神経薬理学
 再発の神経薬理学
 アディクションへの脆弱性――遺伝的標的
 アロスタシスから見たアディクションの神経薬理学
 今後の展望
 要約と結論
 確かな原則
 推奨文献

第4章 ヒトの脳画像が教えてくれるアディクションの発症と再発に対する脆弱性
 当事者に目標を持たせ,依存症になったことに関する責任から解放すること
 生まれたときから始まる脳の違い――遺伝はアディクションの脆弱性を高める脳の違いを作り出す可能性がある
 思春期――脳の「進め!」回路と「止まれ!」回路の発達がアンバランスな時期
 脳画像を用いてアディクションのある人の脳の中を「見る」ことができる
 脳画像はアディクションのある成人における「止まれ!」システムの弱点も示している
 確かな原則
 推奨文献

第Ⅲ部 心理学的要因

第5章 自然変化と「やっかいな」物質使用――ライフコースの観点から
 自然変化と問題使用の発現
 物質乱用歴
 自然変化と意図的行動変化のプロセス
 結論
 確かな原則
 推奨文献

第6章 物質使用障害と精神障害の併存
 併存症の有病率と結果
 高い併存率を理解する
 全体的アプローチ
 思春期の子どもたちにおける併存障害
 確かな原則
 推奨文献

第7章 アディクション行動における動機づけ要因
 個人内の動機づけ
 対人的な動機づけ
 背景(コンテクスト)からの動機づけ
 変化を予測する
 変化への動機づけに影響を与える
 断片をつなぎ合わせる
 確かな原則
 推奨文献

第Ⅳ部 社会的要因

第8章 家族などの親密な人間関係
 前置きとして
 家族,社会的ネットワーク,そして物質使用障害についてわかっていること
 何がうまくいくのか
 確かな原則
 推奨文献

第9章 社会的背景と物質使用
 理論的視点
 家族と物質使用・乱用
 友人・仲間集団と物質使用・乱用
 仕事と物質使用・乱用
 居住地域と物質使用・乱用
 介入と予防のプログラム
 確かな原則
 推奨文献

第Ⅴ部 介入

第10章 行動療法――グラスさえあれば半分は満たせるのに
 背景と概要
 問題のある物質使用の根底にある基礎的プロセス
 ブレーキを補強し動因を弱める――行動療法の有効性
 物質依存における行動療法と基本プロセス
 今後の展望
 確かな原則
 推奨文献

第11章 宗教,スピリチュアリティと,「やっかいな」物質使用
 序論と背景
 「やっかいな」物質使用の発症予防
 宗教/スピリチュアリティを志向するアディクション治療
 アディクションからの回復の開始因子および維持因子としてのスピリチュアリティを志向する相互支援グループ
 確かな原則
 推奨文献

第12章 必要なのはシステムだ――柔軟で有効な物質乱用治療システムを構築する
 治療コンポーネントに関する研究結果の概略
 現在のアディクション治療システムの概略
 まとめと考察
 確かな原則
 推奨文献

第13章 科学的知識を統合して全体像を描く――10の原則,10の提言
 アルコールや薬物の使用およびアルコール・薬物問題に広く適用できる原則
 介入と社会政策のための提言
 推奨文献

監訳者あとがき
索引

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