子ども虐待への挑戦
医療、福祉、心理、司法の連携を目指して
虐待されている子どもの早期発見と救出を目指して、医療職と心理職ならびに福祉職の連携が求められている。子ども虐待防止センターで長年力を尽くしてきた坂井聖二が、生前小児科の現場で体験したことをもとに児童虐待の早期発見について訴える。また、同僚や連携領域の心理職や弁護士の立場からも虐待防止にどう関わるかを考える。
第Ⅰ部 小児科医から見た子どもの虐待 (坂井聖二)
第1章 子どもの虐待における小児科医の役割
はじめに/小児期の重大な疾患としての「子ども虐待」/子ども虐待における小児科医の役割/おわりに
第2章 「高い高い」は脳に障害を与えるか
エビデンス/現時点における結論
第3章 揺さぶられっ子症候群
第4章 民間組織の児童虐待予防にむけた役割と支援
第5章 「児童虐待の防止等に関する法律」は医療現場にどのような影響を及ぼすか――小児科医の感想的メモ
第6章 ある障害児のヒストリー
第7章 子どもの虐待のスペクトルとメカニズム
子どもの虐待のスペクトル/子どもの虐待が発生するメカニズム
第8章 子どもの虐待――救急外来を訪れる身体的虐待を理解するために
第9章 小児科領域からみた児童虐待
第10章 子ども虐待における連携およびネットワーク――現状と課題
子どもの医療と福祉に関わっている人間が加害者になることもある/虐待する人を「加害者」として非難するだけでは虐待の本質は見えてこない/虐待家族の問題は、時代を映す鏡、現代社会全体に対する大きな警鐘である/援助の手を遠ざけ、援助者を攻撃してくる虐待家族は、そういう形でSOSを出している/親を加害者にしない。そのためには、子どもを引き離し、家族を解体する必要が生じる場合もある/虐待環境を生き延び、社会に登場してきた子どもは、問題児として扱われることで非行への道を辿る/被虐待児を、自立までケアしていくには、連携による役割分担こそが最重要課題である
第11章 子どもを病人にしたてる親たち
第Ⅱ部 小児科および臨床心理領域の子ども虐待への取り組みと連携
第12章 裁判事例を通して見る坂井先生 (社会福祉法人子どもの虐待防止センター 平湯真人)
第13章 子ども虐待と小児科医の役割 (淑徳大学 松田博雄)
はじめに――坂井聖二先生と私との関わり/虐待による死亡/小児期の重大な疾患としての「子ども虐待」/子ども虐待が被害者に及ぼす影響の大きさ/医師の役割/おわりにかえて――坂井論文に対する回答
第14章 スーパーバイザーとしての坂井先生 (NPO法人子ども虐待ネグレクト防止ネットワーク 山田不二子)
はじめに/坂井先生の論文評価/SBS/SISに関して坂井先生が示された懸念と日本の現状に関する考察/結論
第15章 坂井聖二先生と子どもの虐待防止センターが果たしてきた役割 (駿河台大学 吉田恒雄)
はじめに/虐待した親へのねぎらい――電話相談/児童相談所を支える/民間組織がまずやってみて先例を示す/福祉的アプローチと司法的アプローチ/今後の役割
第16章 「児童虐待の防止等に関する法律」は医療現場にどのような影響を及ぼすか――十年後の現状と課題 (筑波大学 宮本信也)
坂井論文の意義/子ども虐待に対する医師の意識/坂井先生のこと
第17章 「ある障害児のヒストリー」のその後――虐待を受けた子どものプレイセラピー (山梨県立大学 西澤 哲)
はじめに/虐待を受けた子どものプレイセラピー/A子のプレイセラピーの経過/考察/今後の課題
第18章 子どもの虐待のスペクトルとメカニズム――臨床心理学の観点からどう読み解くか (山梨県立大学 西澤 哲)
はじめに/虐待のスペクトルをどのように理解するか/ネグレクトが子どもに与える心理的影響/虐待が発生する心理的なメカニズムに関する実証的検討/おわりに
第19章 「子どもの虐待」を巡って (田村毅研究室 田村 毅)
父親グループの考え方/グループワークの実際/まとめ
第20章 坂井聖二――子ども虐待に対する小児科医のまなざし (子どもの虹情報研修センター 小林美智子)
はじめに/「小児科領域からみた児童虐待」について/読み終えて、今を思う
第21章 「子ども虐待における連携およびネットワーク」をどう読み解くか (山梨県立大学 西澤 哲)
第22章 代理によるミュンヒハウゼン症候群について (国立成育医療研究センター 奥山眞紀子)
第1章 子どもの虐待における小児科医の役割
はじめに/小児期の重大な疾患としての「子ども虐待」/子ども虐待における小児科医の役割/おわりに
第2章 「高い高い」は脳に障害を与えるか
エビデンス/現時点における結論
第3章 揺さぶられっ子症候群
第4章 民間組織の児童虐待予防にむけた役割と支援
第5章 「児童虐待の防止等に関する法律」は医療現場にどのような影響を及ぼすか――小児科医の感想的メモ
第6章 ある障害児のヒストリー
第7章 子どもの虐待のスペクトルとメカニズム
子どもの虐待のスペクトル/子どもの虐待が発生するメカニズム
第8章 子どもの虐待――救急外来を訪れる身体的虐待を理解するために
第9章 小児科領域からみた児童虐待
第10章 子ども虐待における連携およびネットワーク――現状と課題
子どもの医療と福祉に関わっている人間が加害者になることもある/虐待する人を「加害者」として非難するだけでは虐待の本質は見えてこない/虐待家族の問題は、時代を映す鏡、現代社会全体に対する大きな警鐘である/援助の手を遠ざけ、援助者を攻撃してくる虐待家族は、そういう形でSOSを出している/親を加害者にしない。そのためには、子どもを引き離し、家族を解体する必要が生じる場合もある/虐待環境を生き延び、社会に登場してきた子どもは、問題児として扱われることで非行への道を辿る/被虐待児を、自立までケアしていくには、連携による役割分担こそが最重要課題である
第11章 子どもを病人にしたてる親たち
第Ⅱ部 小児科および臨床心理領域の子ども虐待への取り組みと連携
第12章 裁判事例を通して見る坂井先生 (社会福祉法人子どもの虐待防止センター 平湯真人)
第13章 子ども虐待と小児科医の役割 (淑徳大学 松田博雄)
はじめに――坂井聖二先生と私との関わり/虐待による死亡/小児期の重大な疾患としての「子ども虐待」/子ども虐待が被害者に及ぼす影響の大きさ/医師の役割/おわりにかえて――坂井論文に対する回答
第14章 スーパーバイザーとしての坂井先生 (NPO法人子ども虐待ネグレクト防止ネットワーク 山田不二子)
はじめに/坂井先生の論文評価/SBS/SISに関して坂井先生が示された懸念と日本の現状に関する考察/結論
第15章 坂井聖二先生と子どもの虐待防止センターが果たしてきた役割 (駿河台大学 吉田恒雄)
はじめに/虐待した親へのねぎらい――電話相談/児童相談所を支える/民間組織がまずやってみて先例を示す/福祉的アプローチと司法的アプローチ/今後の役割
第16章 「児童虐待の防止等に関する法律」は医療現場にどのような影響を及ぼすか――十年後の現状と課題 (筑波大学 宮本信也)
坂井論文の意義/子ども虐待に対する医師の意識/坂井先生のこと
第17章 「ある障害児のヒストリー」のその後――虐待を受けた子どものプレイセラピー (山梨県立大学 西澤 哲)
はじめに/虐待を受けた子どものプレイセラピー/A子のプレイセラピーの経過/考察/今後の課題
第18章 子どもの虐待のスペクトルとメカニズム――臨床心理学の観点からどう読み解くか (山梨県立大学 西澤 哲)
はじめに/虐待のスペクトルをどのように理解するか/ネグレクトが子どもに与える心理的影響/虐待が発生する心理的なメカニズムに関する実証的検討/おわりに
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第20章 坂井聖二――子ども虐待に対する小児科医のまなざし (子どもの虹情報研修センター 小林美智子)
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