児童養護施設の子どもへの精神分析的心理療法

児童養護施設の子どもへの精神分析的心理療法

過酷な生育歴をもつ施設の子どもが、セラピーで心を取り戻し自ら育みだす過程を、事例を通して解説。各事例のコメントも理解を促す

著者 平井 正三
西村 理晃
認定NPO法人子どもの心理療法支援会(サポチル)
ジャンル 臨床心理学  > 心理療法(カウンセリング)
精神分析
出版年月日 2018/11/20
書店発売日 2018/11/27
ISBN 9784414416497
判型・ページ数 A5 ・ 374ページ
定価 4,180円(税込)
在庫 在庫あり

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児童養護施設で子どもの心理臨床を担うセラピストのための実践書。施設へ措置されてくる子どもは、生後直後よりネグレクト等の虐待を受けていたり、発達障害や境界性人格障害を抱える割合も高いため、対応に困難を極める。そのため、施設職員の早期退職が相次ぎ、また、セラピストもセラピー中断の事態に追い込まれることも多い。本書は、このような子どもが心を取り戻し、自らの心を育みだす過程を、事例を通して示す。各事例には解釈コメントもあり、理解を促す。
第1部 児童養護施設の子どもの精神分析的心理療法

第1章 総説――児童養護施設の子どもの精神分析的心理療法 【平井正三】

第2章 子どもの心を受け入れること,そこにある痛みを経験すること,そして考えること――処遇中に性的虐待を受けた女児との心理療法の経験から 【西村理晃】
 ●西村論文へのコメント:崖っぷちを生き残る力とその支え――被虐待児のセラピーとセラピストの養育環境としてのトレーニングについて 【飛谷 涉】

第3章 つながりを持つことの難しさ――分離パニックを呈した男児との心理療法 【由井理亜子】
 ●由井論文へのコメント:再生と破壊を抱え続けること 【西村理晃】

第4章 分析的設定の中で育まれる心――二次元的な世界を生きていた男児との精神分析的心理療法 【志満慈子】
 ●志満論文へのコメント:精神分析的設定に支えられて抱えていくこと 【平井正三】

第5章 早期剥奪児の心理療法における制限と協働関係の重要性について――対象との分離性をめぐって 【藤森旭人】
 ●藤森論文へのコメント:子どもの生活を支える職員との協働――心理療法を抱える器 【鵜飼奈津子】

第6章 母親に置き去りにされた少女との精神分析的心理療法――痛みを感じることをめぐって 【平井正三】
 ●平井論文へのコメント:不明瞭さの中に見えてくるもの 【西村理晃】

第7章 第1部のまとめ 【平井正三】

第2部 施設での精神分析的心理療法実践をめぐる諸問題

第8章 児童養護施設での心理療法の特徴 【綱島庸祐】
 ●綱島論文へのコメント:多層的な協働関係の中で「考えにくいこと」を考える営み 【冨成達也】

第9章 児童養護施設に入所している子どもの心の痛みに触れること 【横山隆行】
 ●横山論文へのコメント:多層的な困難さを持つ子どもとの心理療法における,セラピストの工夫 【脇谷順子】

第10章 「枠破り」をめぐって 【綱島庸祐】
 ●綱島論文へのコメント:児童養護施設において精神分析的心理療法を実践する際の「枠」をめぐって 【鵜飼奈津子】

第11章 第2部のまとめと児童養護施設の子どもの心理療法アセスメント 【平井正三】

第3部 紙上スーパービジョン

第12章 人とのつながりについて考えようとしている女児の事例 【吉岡彩子】
 ●吉岡論文へのコメント1:子どもにとってリアルな対象になること 【西村理晃】
 ●吉岡論文へのコメント2:うんちとおしっこと心の発達との関係 【脇谷順子】

第13章 自己愛的な世界を持つ女児との心理療法 【金沢 晃】
 ●金沢論文へのコメント1:真正であること,そしてその危険性 【平井正三】
 ●金沢論文へのコメント2:親の精神病破綻を生き残る子どもたち――ヒステリー的解決の場合 【飛谷 涉】

第4部 施設職員の支援

第14章 施設と職員へのサポート――ワークディスカッション 【鈴木 誠】

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