衣笠隆幸選集1

対象関係論の理論と臨床:クライン派の視点を中心に

衣笠隆幸選集1

長年にわたる広島市精神保健福祉センターでの精神分析による臨床経験と英国精神分析理論に関する該博な知識をもとに書かれた論文集

著者 衣笠 隆幸
ジャンル 精神分析
出版年月日 2017/11/10
書店発売日 2017/11/10
ISBN 9784414413915
判型・ページ数 A5 ・ 778ページ
定価 9,350円(税込)
在庫 在庫あり

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精神分析と歩みを共にした著者の実践と思索をここに集成。第1巻は、「基礎理論」「技法論」「夢」「疾患」「フロイト」「クライン派」の六部立て。1981年から7年半にわたるロンドン・タビストックセンターにおける臨床研修を終えるまでの論文と、1988年の帰国以降に著された論文とを著者みずからが厳選した。英米の精神分析学の広範かつ正確な理解、そしてそれに裏打ちされた数多の症例研究は、時を経ても色あせることなく臨床家を導き続けるだろう。


第1部 基礎理論
1章 英国における治療的退行の研究――特にクライン派の研究について
2章 イギリスにおける自己愛の研究
3章 エロス(生の本能)の問題――フロイトからクラインへ
4章 成人患者の早期エディプス・コンプレックス
5章 モーニング・ワークとその病理
6章 対象喪失と投影性同一視
7章 クライン派における身体の問題――自己身体像の形成をめぐって
8章 臨床的事実とは何か――臨床過程の記録から発表までの過程について
9章 臨床における破壊的父親像について
10章 中立性と禁欲原則
11章 無意識的幻想とセッションの理解

第2部 技法論
12章 自由連想と治療回数をめぐって――英国および日本での経験から
13章 「共感」――理解の基礎となるものと理解を妨げるもの
14章 難治症例と逆転移
15章 イギリス学派の治療技法
16章 毎日分析の歴史と現状
17章 対象関係論における情緒と解釈の問題――クライン派の理論と技法を中心に
18章 治療機序とその効果――クライン派の臨床的視点から
19章 転移解釈のダイナミクス
20章 A-Tスプリットの利点と問題点――治療構造を中心に
21章 精神分析臨床を構成するもの――自由連想法と中立性・自由に漂うような注意

第3部 夢
22章 対象関係論における夢の理論
23章 クライン-ビオンの発展
24章 毎日分析と夢の臨床

第4部 疾患
25章 イギリスにおける「境界パーソナリティー」研究の現状
26章 イギリスにおけるいわゆる「境界例」研究について――症例を中心に
27章 クライン学派の精神分裂病の研究
28章 精神分析英国学派の境界例研究
29章 幼少時の性的外傷体験がフラッシュバックした症例
30章 「ひきこもり」の症状形成と時代精神――戦後50年の神経症状の変遷の中で
31章 精神分裂病の精神分析療法
32章 境界性パーソナリティ障害の治療――精神保健福祉センターにおける対応をめぐって
33章 英国対象関係論における病理的パーソナリティの研究――とくに病理的組織化について
34章 精神病的パーソナリティの精神分析的研究、その概観――統合失調症の研究を通して
35章 精神分析からみた統合失調症
36章 境界性パーソナリティ障害症例記述――クライン派の臨床的視点から
37章 ひきこもりと過食嘔吐を主訴とした女性患者の精神分析的精神療法
38章 パーソナリティ障害および病理的パーソナリティの診断、病理の理解と治療

第5部 フロイト
39章 対象関係から見た鼠男の治療要因
40章 フロイト・ユング・エリクソン――その臨床的発達論
41章 ウルフマンの夢について――クライン派の視点から
42章 『科学的心理学草稿』――忘れ去られ数奇な運命をたどった異色の論文

第6部 クライン派
43章 ビオンの精神分裂病の病理学――主として1950年代から60年代前期の研究について
44章 現代クライニアンの動向
45章 病理的組織化――ジョン・スタイナーの病理的パーソナリティの研究

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