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不確かさの精神分析

リアリティ、トラウマ、他者をめぐって

不確かさの精神分析

精神分析は、現実に生きる人の苦悩と喜びにどう向き合い、どんな意味を与えることができるのか。臨床家に必要な基本的態度を論じる。

著者 富樫 公一
ジャンル 精神分析
出版年月日 2016/04/30
ISBN 9784414416121
判型・ページ数 A5・250ページ
定価 本体3,200円+税
在庫 在庫あり
 

目次

はじめに

序章 操作不可能性・他者性の精神分析                     

第Ⅰ部 精神分析臨床とその未来

第1章 精神分析の未来――不確かさの中で生きること             
 1 価値観の不確かさ 
 2 不確かさを避ける治療者 
 3 対人関係状況の変化と創出モデル 
 4 結 語 

第2章 精神分析のパラダイム・シフト                    
 1 精神分析のパラダイム・シフト 
 2 精神分析の新たな価値観 
 3 絢子の事例 
 4 おわりに 

第3章 意味了解の共同作業                         
 1 間主観性理論とは 
 2 プロセスとしての間主観的視座 
 3 意味の了解作業としての間主観的視座 
 4 現象学的文脈主義による視座の拡大 

第4章 夢と意味了解の共同作業                       
 1 自己心理学と自己状態夢 
 2 文脈主義と意味形成の共同作業 
 3 事例:安奈 
 4 夢の意味づけ 

第Ⅱ部 リアリティをとらえる精神分析理論 

第5章 「悲劇の人」の心理学――コフートの自己愛理論            
 1 フロイトのいう分析不可能性とは何か 
 2 自己愛転移の病理性とは何か 
 3 自己愛の病理性とは何か 
 4 悲劇の人 
 5 おわりに 

第6章 サティと愛の理論                          
 1 サティの人物像と現代性 
 2 サティの心の理論 
 3 サティの精神分析治療理論 
 4 サティの問題点 

第7章 意識の二重性――ミアーズの発達理論                 
 1 コフートの発達理論 
 2 現代自己心理学が注目する発達理論 
 3 ミアーズの自己の発達理論 
 4 おわりに 

第8章 動機づけシステム理論                       
 1 プロセスとしてみた動機づけ 
 2 動機づけシステム理論 
 3 おわりに 

第Ⅲ部 トラウマ:世の中のどうしようもないことと人間的苦悩

第9章 人間であることの心理学――コフートの苦悩             
 1 コフートの自己対象理論 
 2 コフートの性格 
 3 コフートの晩年と人間であることの心理学 
 4 「人間である」という体験 

第10章 他者の精神分析                         
 1 対象の分析と他者の分析 
 2 治療関係における恋愛感情について 
 3 他者の操作不可能性と、関係の真実性 

第11章 精神分析家の顔                         
 1 間主観的フィールドとしての分析家の顔 
 2 外傷化された患者と、分析家の顔の二分化 
 3 考 察 

第12章 リアリティ、操作不可能性、トラウマ               
 1 現実と、外的・内的の二分法 
 2 現実の臨床的意味 
 3 現実とトラウマ、操作不可能性 

おわりに 

文 献

事項索引
人名索引 

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内容説明

これまで精神分析は、おもに心の内面で操作可能な対象や空想は扱ってきたが、操作不能な他者やどうすることもできない現実そのものを正面から扱ってこなかった。しかし、患者の語る内容を対象として扱うのは確かにわかりやすいが、そこでは重要な何かをとりこぼしているかもしれない。本書はこうした考え方のもとに、これまでの精神分析的作業をもう一度整理し、不確かな現実や動かしがたい他者を精神分析的に扱うことの臨床的意味を探求しようとする。

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