ワーキングメモリ

思考と行為の心理学的基盤

ワーキングメモリ

本研究の第一人者でかつ最も有名な概念モデルを提示した著者自身がモデルの紹介および現時点での最新の研究成果までを述べた概説書。

著者 アラン・バドリー
井関 龍太
齊藤 智
川﨑 惠里子
ジャンル 認知心理学
出版年月日 2012/09/10
書店発売日 2012/09/10
ISBN 9784414306286
判型・ページ数 A5 ・ 480ページ
定価 6,820円(税込)
在庫 在庫あり

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短期記憶は、その時々の感覚情報を処理しリハーサルして長期記憶へと送り込むと共に、長期記憶から必要な情報を呼び戻し取り出す作業もしているという意味で作動している記憶と言われる。本書は、そのワーキングメモリ(作動記憶)研究の第一人者で、かつ最も有名な概念モデル(複数成分モデル)を提示したバドリー自身が、モデルの紹介およびワーキングメモリ研究の現時点での最新の研究成果を述べた書である。
原書名:Working Memory,Thought,and Action

第1章 イントロダクションと概観
 1.1 いくばくかの歴史  
 1.2 複数成分ワーキングメモリ 
 1.3 複数成分モデル  
 1.4 結 論  

第2章 なぜ音韻ループが必要か
 2.1 音韻ループの進化論的関連性  
 2.2 言語獲得  
 2.3 下位語彙的短期記憶  
 2.4 系列順序の問題  
 2.5 連鎖モデル  
 2.6 文脈モデル  

第3章 音韻ループ:課題と広がる論点
 3.1 Nairneの批判  
 3.2 語長効果  
 3.3 音韻ループを混乱させる 
 3.4 無関連言語音効果  
 3.5 音韻ループ:概観  
 3.6 結 論  

第4章 視空間的短期記憶
 4.1 視空間的ワーキングメモリと言語的ワーキングメモリとを分ける論拠  
 4.2 視空間的ワーキングメモリを細分化する  
 4.3 空間的位置についての記憶  
 4.4 オブジェクトベースの短期記憶  
 4.5 視空間的短期記憶における系列貯蔵  
 4.6 問題を分ける  
 4.7 結 論  

第5章 イメージと視空間的ワーキングメモリ
 5.1 視空間的コード化と言語的記憶  
 5.2 視空間的スケッチパッドをモデル化する  
 5.3 視覚的イメージ  
 5.4 結 論  

第6章 新近性,検索,定数比の法則
 6.1 自由再生における新近性  
 6.2 定数比の法則  
 6.3 新近効果の諸理論  
 6.4 新近性の進化論的機能  

第7章 中央実行系を細分化する
 7.1 ゴミ箱としての中央実行系  
 7.2 実行過程と前頭葉  
 7.3 ワーキングメモリと実行過程  
 7.4 限界のある容量を焦点化させる  
 7.5 課題切り替えと中央実行系  
 7.6 実行スキルとしての注意の分割  
 7.7 結 論  

第8章 長期記憶とエピソード・バッファ
 8.1 一部の還元主義的見解  
 8.2 ワーキングメモリ棚の中の骸骨  
 8.3 エピソード・バッファ  

第9章 エピソード・バッファの探求
 9.1 視覚的ワーキングメモリにおけるバインディング 
 9.2 散文の記憶におけるバインディング  
 9.3 いくつかの意義  

第10章 ワーキングメモリスパンにおける個人差             
 10.1 心理測定学の伝統 
 10.2 知能の概念  
 10.3 ワーキングメモリにおける個人差  
 10.4 ワーキングメモリスパンは何を測定しているのか  

第11章 何がワーキングメモリスパンを制限するのか           
 11.1 スピード仮説  
 11.2 資源プール仮説  
 11.3 抑制仮説  
 11.4 ワーキングメモリの構成要素  
 11.5 中央実行系を分割する  
 11.6 ワーキングメモリと教育  
 11.7 結 論  

第12章 ワーキングメモリの神経イメージング              
 12.1 陽電子放射断層撮影法(PET)  
 12.2 機能的磁気共鳴イメージング(fMRI)  
 12.3 脳波(EEG)  
 12.4 他の技法  
 12.5 部位の命名  
 12.6 ワーキングメモリのイメージングから何がわかるか  
 12.7 中央実行系のイメージング 
 12.8 実行処理のメタ分析  
 12.9 検索過程のイメージング  
 12.10 いくつかの結論  

第13章 ワーキングメモリと社会的行動                 
 13.1 行動を制御するのは何か 
 13.2 習慣,スキーマ,決定論的制御  
 13.3 主体性感  
 13.4 ワーキングメモリと自己制御  
 13.5 結 論  

第14章 ワーキングメモリと情動Ⅰ:恐怖と渇望             
 14.1 激しい情動における認知  
 14.2 不安と認知の臨床研究  
 14.3 不安と認知の影響をモデル化する  
 14.4 依存と渇望  
 14.5 結 論  

第15章 ワーキングメモリと情動Ⅱ:抑うつと行為の源          
 15.1 不安と抑うつの効果の比較  
 15.2 抑うつの心理学理論  
 15.3 行為の源  
 15.4 ワーキングメモリと抑うつ  
 15.5 情動と複数成分モデル  
 15.6 情動:広範な見解  
 15.7 結 論  

第16章 意識性                          
 16.1 意識性に対する実践的アプローチ  
 16.2 中核意識性  
 16.3 麻酔下の意識性  
 16.4 意識的制御とグローバル・ワークスペース仮説 
 16.5 認知的ワークスペースの神経基盤  
 16.6 意識性とワーキングメモリ  

第17章 多重レベルの行為制御                    
 17.1 行為の潜在的制御  
 17.2 運動制御のモデル  
 17.3 ワーキングメモリにとっての運動制御の意義 
 17.4 結 論  

第18章 ワーキングメモリ研究の広がり:生命,宇宙,そして万物について 
 18.1 進化的観点  
 18.2 いくつかの哲学的意義   
 18.3 エピローグ  

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